国税庁は、インボイス制度特設サイト内の「多く寄せられるご質問」を7月26日に更新した。

○地方公営企業法適用の特別会計に移行する際の適格請求書発行事業者の登録
 上下水道の特別会計を有する地方公共団体が、地方公営企業法適用の特別会計に移行することとなり、移行前の特別会計ではインボイス発行事業者の登録申請を行い登録番号の付番を受けていたが、移行に当たっては当該登録番号も移行されるのか。
 この質問に対し、インボイス発行事業者の登録は、登録を受けようとする事業者ごとに行うもので、地方公共団体の特別会計が、地方公営企業法の規定を適用する特別会計に移行する場合、通常、現在の特別会計(旧特別会計)は廃止され、新たな特別会計が設置されることとなる。そのため、旧特別会計では「事業廃止届出書」の提出が必要となり、それに伴い旧特別会計の登録番号は失効するので、移行後の新たな特別会計において改めてインボイス発行事業者の登録申請を行い、登録番号の付番を受ける必要があると回答。

○複数年をまたぐ取引に係る適格請求書の交付
 1年を超える期間にわたって毎月保守を行う役務を提供しているが、課税期間をまたぐような長期間にわたる課税資産の譲渡等について、対価の前受け時にまとめてインボイスを交付しても良いのか。
 この質問の回答は、インボイス発行事業者である売手は、国内で課税資産の譲渡等を行った場合、取引の相手方(課税事業者に限る。)の求めに応じ、インボイス交付義務が課されており、インボイスの記載事項である「課税資産の譲渡等を行った年月日」については、課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税資産の譲渡等につきまとめてインボイスを作成する場合には、当該一定の期間を記載することになるが、「課税期間の範囲内で」とあるとおり、一定の期間をまとめてインボイスを交付するとしても、取引の期間が売手の課税期間をまたぐ場合には、インボイスは課税期間ごとに区分し交付することが原則となる。
 他方、課税期間をまたぐ期間に係る取引をまとめて一のインボイスに記載することも妨げられるものではなく、また、課税資産の譲渡等を行う前にインボイスを交付することも可能であり、そうした点と請求書交付実務の簡便性という観点から、例えば、毎月の保守契約のように一定期間継続して同一の課税資産の譲渡等を行うものについては、売手である事業者がインボイスの交付対象となる期間、継続してインボイス発行事業者である限りにおいて、課税期間の範囲を超える期間をまとめてインボイスを交付することとして差し支えないと説明している。