令和7年度税制改正法案では、退職手当一時金と確定拠出年金に係る老齢一時金を受給している場合の退職所得控除の計算上、勤続年数の重複排除期間等の見直しが盛り込まれた。
 退職手当等の支払いを受けた年の前年以前4年内に他の退職手当等の支払いを受けたことがある場合には、その受給年に支払いを受ける退職手当等についての勤続期間の一部が他の退職手当等の勤続期間と重複している場合に、それぞれの退職手当等の勤続期間の重複期間を排除したところで勤続年数の計算を行うこととなっている。
 一方で、確定拠出年金に係る老齢一時金(DC一時金)では、60歳から75歳までの間に任意に受給タイミングを選べることから、その受給をした年の前年以前19年内に他の退職手当等の支払いを受けた場合に、勤続年数の重複期間の排除が行われる。
 ただし、先にDC一時金を受給した場合には重複排除の調整は原則通り支払いを受けた年の前年4年内とされており、受給のタイミングにより退職所得控除の適用に差異が生じていた。
 こうしたなか、令和7年度改正では、退職手当等を受給する者が、先にDC一時金を受給している場合には、退職手当等の支払いを受けた年の前年9年以内が勤続年数の重複排除期間となる。また、7年間とされているDC一時金の受給に関する申告書の保存期間が10年間に延長される。