金融庁の公認会計士・監査審査会は6月12日、受験者数の増加に伴い短答式試験の合格率が低下している一方で論文式試験の合格率が高水準にある公認会計士試験について、受験者の能力のより的確な判定に向けた試験運営の枠組みや出題内容等を見直す「バランス調整」を実施することを明らかにした。
まず令和8年試験から、短答式試験において、計算問題のある財務会計論と管理会計論の科目で問題数を増やすとともに1問あたりの配点の差を縮め、解答負担等に応じて試験時間を調整する。例えば、財務会計論では、問題数を35問程度(現行28問)まで増やし、理論・計算の1問の配点(同8点)を引き下げ、試験時間を150分(同120分)まで伸ばす。
令和9年試験からは、論文式試験の合格基準の水準を、得点比率52%から54%へと3~4年かけて引き上げる。より多くの受験者が論文式試験を受験し、資質・能力判定において適正な競争が行われるよう短答式とのバランス調整を図ることとする。