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デジwithとIT導入補助金でデジタル化へ

 インボイスや電子帳簿等保存の制度導入により中小企業においても業務のデジタル化が進展しているが、大半がまだまだデジタル化に取り組めていない状況にある。このような中、中小企業基盤整備機構は同業他社とデジタル化状況を比較できるポータルサイト「デジwith」を4月に開設、中小企業庁はIT導入補助金の公募を開始し、中小企業のデジタル化を支援する。

 中小企業基盤整備機構は、デジタル化を通じた経営課題の設定とその解決を目指す中小企業と、その取組みを支援する各種機関の双方をサポートするデジタル化支援ポータルサイト「みらデジ」を令和4年7月から運用。来月4月1日からは、中小企業・小規模事業者に対し、みらデジの一部機能を引き継いで、デジタル化に取り組むきっかけ作りから課題の設定、解決のための最適なITソリューションの提案~導入~運用までを一貫してサポートする「デジwith」を新たに開設する。
 同機構が行った調査によると、DXの取組が「必要だと思うが取り組めていない」等と回答した中小企業等の割合は58.0%と半数を超え、このうちの2割の企業では「何から始めてよいか分からない」といった状況にある。
 そこでデジwithでは、デジタル化に取り組みたい事業者に道筋を示して実際の導入・運用までサポートを行ったり、経営課題をデジタル化によって解決したい中小企業等に対してはIT活用策の提案により経営の悩みを解決する。具体的には、同業他社とデジタル化状況を比較して、経営の悩みを解決するITソリューションを知る「IT戦略ナビwith」、具体的な業務用アプリやIT導入事例を探す「ここからアプリ」、ITの専門家へオンライン相談できる「IT経営サポートセンター」の3つの支援メニューを用意。登録不要かつ無料で誰でも利用できる。
 中小企業等の労働生産性の向上を目的として、デジタル化やDX等に向けたソフトウェアやサービス等のITツールの導入を支援する「IT導入補助金」については、2025年版(令和6年度補正予算)でも対象経費や補助率・補助上限額の拡充が行われている。
 同補助金は、生産性向上や地域DXの実現に資するITツールの導入費用を支援する「通常枠」と「複数社連携IT導入枠」、インボイス制度対応の受発注ソフトやPC等の導入を支援する「インボイス枠」、サイバーインシデントのリスクを低減等する「セキュリティ対策推進枠」の類型がある。
 このうち通常枠では、3か月以上にわたり地域別最低賃金の+50円以内で雇用している従業員が全従業員の30%以上となる最低賃金近傍の事業者に対しては、補助率を2/3(通常1/2)に拡充。また、通常枠・複数社連携IT導入枠・インボイス枠(インボイス対応類型)では、保守運用やマニュアル作成等のサポート費用に加えて、導入・活用コンサルティング費用などIT活用の定着を促す導入後の活用支援関連費も補助対象に追加。セキュリティ対策推進枠では、補助上限額を150万円に引き上げる等の制度拡充を図っている。第1次公募は5月~6月上旬が締切予定。
 これら支援施策を利用して、自社に合った効果的かつ効率的なデジタル化への大きな一歩を踏み出すべきであろう。