全都道府県の地方最低賃金審議会が9月5日にとりまとめた今年の最低賃金は、引上げ額が66円、全国加重平均が1,121円(引上げ率6.3%)と過去最大となった。そこで政府は、最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者等への支援策として、各種補助金・助成金の要件緩和措置などの支援策を講じている。
 IT導入補助金、ものづくり補助金、省力化補助金(一般型)のそれぞれの最低賃金引上げ特例については、現行要件の「3ヶ月以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が、全従業員数の30%以上いること」を、最低賃金引上げの影響を強く受ける事業者を支援するため、「3か月以上、改定後の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が、全従業員数の30%以上いること」へと緩和して対象企業を拡大。上記要件を満たす場合には、各補助金の補助率が1/2から2/3に引き上げられる。
 助成金では、業務改善助成金の対象事業者の範囲を拡大し、今年9月5日から令和7年度当該地域の最低賃金改定日の前日までに賃金引上げを実施すれば賃上げ計画の事前提出が不要となる。対象事業者の範囲拡大は、従来の「事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内」から「事業場内最低賃金が改定後の地域別最低賃金額未満まで」の事業者が対象となる。