国税庁がこのほどまとめた「令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」によると、申告漏れの可能性が高い納税者等の選定にAIを活用するなど、効率的かつ的確な調査を実施した結果、所得税調査における追徴税額の総額が過去最高となったことがわかった。
 令和6事務年度(令6.7~7.6)に実施した所得税の実地調査は前事務年度に比べて4万6,896件、「簡易な接触」は、更正の請求等に基づく減額更正や添付書類の未提出に対する提出依頼を行ったもの等を含めて68万9,440件。実地調査は減少も簡易な接触が大幅増となった結果、調査等合計件数は前事務年度より13万1,259件増の73万6,336件。
 このうち、申告漏れ等の非違が認められたものは5万7,463件増の36万8,727件で、申告漏れ所得金額の総額は9,317億円。追徴税額は1,431億円で過去最高を更新した。
 調査選定のAI活用により、実地調査の件数は減少したものの1件当たりの追徴税額等が増加し、積極的に実施した簡易な接触では非違件数が増加したことが成果として表れている。
 なお、事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な業種は、最も高額だったのは「キャバクラ」で1件当たり4,164万円。2位は「眼科医」(同3,894万円)で高額上位10業種に現れたのは初。