国税庁が公表した「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」によると、納税者への簡易な接触により過去10年間で最も多い申告漏れを把握している。
令和6事務年度(令和6年7月~7年6月)における相続税の実地調査は、前事務年度より956件増の9,512件に実施。
実地調査の結果、申告漏れ等の非違があったものは7,826件で、申告漏れ課税価格は2,942億円とそれぞれ前事務年度より増加。非違事案の13.6%にあたる1,065件に重加算税を賦課しており、申告漏れ課税価格のうち重加賦課対象は444億円、追徴税額は加算税含め824億円(同89億円増)。
実地調査以外に『簡易な接触』にも積極的に取り組んでおり、同事務年度は2万1,969件に簡易な接触を行い、申告漏れ等の非違があった5,796件から申告漏れ課税価格1,123億円を把握し、138億円を追徴課税。いずれも簡易な接触の事績集計を始めた平成28事務年度以降で最高となった。簡易な接触1件当たりの申告漏れ課税価格は511万円、追徴税額は63万円。
なお、申告漏れ相続財産の金額の内訳は、最も多いのが「現金・預貯金等」の837億円(構成比29.1%)で、以下、「有価証券」393億円(同13.6%)、「土地」353億円(同12.3%)、「家屋」50億円(同1.7%)の順となっている。