令和8年度税制改正では、特定電子移転財産権の徴収手続が整備され、滞納者が自己管理する暗号資産を徴収職員が差し押さえることが可能となる。
 特定電子移転財産権は、第三債務者等がない無体財産権等に係る権利(権利の移転について登記等を要するものを除く)であって電子情報処理組織を用いて移転するもので、ビットコイン等をはじめとする暗号資産やNFT(非代替性トークン)などがこれにあたる。
 滞納者が暗号資産交換業者を介さず自ら管理する暗号資産については差押えできないという課題がある。
 改正ではこの課題を解決するため、特定電子移転財産権の差押えは、特定電子移転財産権を徴収職員の管理に移す方法により行い、差押えを可能にする。ただし、その方法によることが困難であるときは、特定電子移転財産権の権利者(名義人が異なる場合は、名義人を含む)であってこれを他の者の管理に移すことができるものに命じて、特定電子移転財産権を徴収職員の管理に移させる方法により行うことができる。
 この差押えの効力は、特定電子移転財産権が徴収職員の管理に移され、または移転命令の告知がされた時に生じ、正当な理由がなく移転命令に違反した場合には罰則も設けられる。法定刑は、3年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金。
 徴収職員が特定電子移転財産権の差押えを解除したときは、滞納者の管理に移さなければならない。また、税務署長は、換価した特定電子移転財産権の買受人が買受代金を納付したときは、その特定電子移転財産権を買受人の管理に移さなければならない。
 改正は、令和9年4月1日から施行予定。