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ふるさと納税の指定基準の改正

 総務省では、ふるさと納税における制度の適正な運用を図るため、毎年6月から7月にかけて指定基準の改正、指定制度の運用Q&Aの見直しなどを行い、各都道府県のふるさと納税担当部署へ通知している。今年も6月24日付で「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」等を通知した。今回の内容をみると‥‥。

 毎年の見直しでは、過去1年間のふるさと納税における違反等に鑑み、抜け道を塞ぐような取扱いが行われている。
 今回の見直し(適用は来年10月(一部は同年9月))内容をみると、まず返礼品における基準の一つである広報に活用されているかの判断基準(広報目的基準)が見直される。これまで区域外で製造された製品等についても市町村名の記載で広報目的基準を満たしているとされていたため、返礼品の一部に自治体のロゴが入っているだけでクリアだった。これを直近1年間において広報の目的で自ら調達・配布・販売を行った実績があり指定対象期間における返礼品提供数がその配布・販売の実績数量を超えないことなど、条件基準を明確化された。
 また、製品等の返礼品は区域内で「相応(過半)の付加価値が生じている」ことの付加価値基準について、これまで付加価値の算出方法は自治体により様々となっているため、同じ製品等について複数の自治体が自らの地場産品と主張できたり、真に区域内で付加価値の過半が生じている地場産品か疑義のある事例があった。このため、製造・加工品等の返礼品について、当該返礼品の製造等を行う者が価値の過半が区域内で生じたことを証明するとともに、返礼品提供開始日までに自治体がその証明事項を一覧で公表することで明確化を図る。
 ふるさと納税の規模拡大により返礼品調達費用や全国へのPRのためのポータルサイト事業者等への手数料といった募集に要する費用が5千億円超となっており、さきごろ閉会した令和7年通常国会の参議院総務委員会で「ポータルサイトの運営事業者に対して自治体が支払う手数料等の募集に要する費用が増加していることに鑑み、制度の趣旨をゆがめる不適切な運用などがないか調査すること」の決議が行われた。
 これを受ける形で、更なる透明化促進に向けて、自治体が「1支払先あたり100万円以上」の募集費用について、その支払先・支払額・支払目的を公表することとされた。
 その他、返礼品等の調達費用の妥当性確保や返礼品確保事務の効率化なども行われる。
 令和5年度のふるさと納税実績は、受入件数で約5,895万件、受入額約1兆1,175億円まで達した。一方、直近では岡山県吉備中央町及び長野県須坂市が返礼割合3割以下基準や地場産品基準の違反で2年間の対象指定から除外される(前号「ニュース欄」参照)ほか、自治体の調査で自主的に基準違反が判明し、返礼品から除外するケースも見受けられている。ふるさと納税の受入額増加は行政サービス向上にも繋がることから、自治体(特に地方)では重要な財源にもなっている。今後も基準に沿った魅力的な返礼品を提供してもらいたい。