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提案募る租税特別措置の見直し

 令和8年度税制改正大綱では様々な租税特別措置の見直しが盛り込まれたが、内閣官房の行政改革・効率化推進事務局に新設した租税特別措置・補助金見直し担当室(片山さつき担当大臣)は、令和9年度改正における見直しに向けて、来月下旬まで租特等に関する提案・意見を国民から募り、この提案等を参考に適正化を図っていくこととする。

 昨年11月25日に設置された租税特別措置・補助金見直し担当室は、12月2日に関係閣僚等及び副大臣会議を開き租特等の適正化の進め方を固め、直ちに見直しが可能な措置等については令和8年度税制改正から着手し、それ以外は9年度税制改正要望に向け要求官庁と連携し租税特別措置等の総点検を行い適正化を図ることとした。
 8年度改正では、与党大綱において「租税特別措置等については、的を絞り、メリハリを明確にすることでインセンティブを大胆に強化する。また、賃上げや設備投資に積極的ではない企業については租税特別措置の適用除外とする制度の強化・拡充を断行し、積極的に挑戦する企業を集中的に支援する制度に変えていく」と明記。さらに、期限が到来する措置を中心に、データに基づく分析等を踏まえて、政策効果の低いものは廃止し、適用状況等によっては期限前でも必要に応じて見直すことが重要との考えを示した。
 この基本的な考え方の下での改正案として、租税特別措置(国税)のうち18項目について「縮減を伴う見直し」を行い、地方拠点強化税制(雇用促進税制)を含む3項目を廃止する。大企業及び中堅企業向け措置の廃止・見直しを行う賃上げ促進税制や、取得価額要件を引き上げた中小企業投資促進税制及び中小企業経営強化税制は適用期限未到来ながら縮減するが、戦略技術領域型の創設等を行う研究開発税制や、対象資産の拡充等を図る中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例などは縮減しつつも拡充を図る。
 一方、地方税における税負担軽減措置(地方税独自の措置のみ)では、19項目に「縮減を伴う見直し」を行うとともに、4項目は所要の経過措置を講じるなどした上で廃止する。
 9年度改正での見直しにあたっては、今年1月5日から2月26日まで、国民から提案・意見を募った上で検討を進める。提案等は内閣官房HPの租税特別措置・補助金見直し担当室にある送信フォームから提出できる。
 提案等を募集しているのは、令和7年10月1日現在で公布されている現行の租税特別措置(括弧内は根拠条文)で、青色申告特別控除(25の2)や上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除(37の12の2)など所得税法特例は125項目、中小企業者等の法人税率の特例(42の3の2)及び貸倒引当金の特例(57の9)など法人税法特例は99項目、この他、消費税法特例53項目、相続税法特例51項目、登録免許税法特例32項目、地価税法特例17項目、利子税等の割合の特例3項目、電子申請等証明書の交付の雑則1項目。また、税負担軽減措置等(地方税)は、令和7年4月1日現在公布の293措置が対象。
 挑戦する企業や豊かな生活を支援する的を絞った特例措置となるよう見直されるには、我々国民の提案が大きな鍵となろう。