経済産業省は令和7年度税制改正要望において、地方公共団体が連携した民間事業者による産業用地整備について、地権者が土地を譲渡した際の売却益に対して所得控除を設ける「産業用地整備促進税制」の創設を掲げた。
 国内での新規立地や事業拡大に意欲のある企業が増加傾向にある中、産業用地の造成が開発スピードや供給量に追いついておらず、国内での立地面積は毎年順調に推移しているものの分譲可能な産業用地面積は2010年をピークに半減。同省実施の都道府県等向けアンケート調査によると、6割の地方公共団体では企業からの立地に関する問合せが増加している一方、産業団地を確保できている都道府県等は1割未満で、企業の立地ニーズに合った用地を用意できていない状況となっている。
 また、産業用地はこれまで地方公共団体等が主体となって造成してきたが、技術者不足や財政負担等のため難しい状況にあることから、ノウハウや技術的見地が補完でき迅速化が図れる民間事業者との連携により造成を行う動きが活発に進んでいる。
 ただし、用地造成に際して、地方公共団体が地権者から土地を取得する場合は所得控除があるが、地方公共団体と連携した民間事業者が土地を取得する場合には同様の措置はない。そこで、地方公共団体と連携した民間事業者が用地取得する場合も地権者に対して所得控除を適用する制度創設を要望に挙げた。