国際的な二重課税排除の観点から設けられている外国税額控除の適用を受ける場合には、国税庁が定める「外国税額控除に関する明細書」を申告書等に添付して提出する必要があるが、この様式に誤りがあり、控除額が過大に算出されるケースがあることが判明した。
 集団投資信託の収益の分配等の支払を受ける場合に、その収益の分配等に係る一定の外国所得税額等の額があるときは、その年分の所得税及び復興特別所得税の額からその外国所得税額等の額が控除される「分配時調整外国税相当額控除」の適用を受ける者の外国税額控除の控除限度額の計算の基礎となる所得税等の金額は、分配時調整外国税相当額控除の金額を控除した後の金額となるにもかかわらず、同明細書では控除前の金額を記載するよう誤って案内。国税庁HP「確定申告書等作成コーナー」でも、同様の誤りがある明細書が作成されるプログラムとなっていた。
 所得税定額減税の実施に伴い同明細書の改訂作業を進めていたところ、分配時調整外国税相当額控除の適用開始の令和2年分の明細書改訂時に適切な様式改訂が行われていなかったことが判明。この誤りにより令和2〜5年分の4年間で約3千件に影響がある見込み。税務署では是正を要する納税者の特定作業を進め、該当者には電話連絡等で不足分の税額納付等を要請。同明細書及び作成コーナーのプログラムは修正される。