日本税理士会連合会(太田直樹会長)はこのほど、令和8年度税制改正に向けた建議書を取りまとめ、公表した。
建議書では、①消費税の複数税率制度を廃止し単一税率制度に戻すとともに、インボイス制度導入に伴う各種特例措置の延長等といった中小・小規模事業者への必要な支援を継続すること、②役員給与税制の見直し、③中小企業者等の法人税率の特例の適用期限延長、④雑損控除の適用につき「特定非常災害により生じた損失」については、控除の順番を見直し、繰戻還付制度を創設すること、⑤所得税の確定申告期限の延長、⑥少子化対策について、税制面での検討を行うこと、を重要建議項目に掲げる。
このうち①では、インボイス制度への深い理解と、価格転嫁の円滑化にはまだ時間が必要なことから、短期の経過的な取扱いとなっている各種特例措置の期限延長や中小・小規模事業者への必要な支援の継続を求めている。
具体的には、令和8年9月30日が適用期限となっている2割特例を期限以降も継続すること。免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置(8割特例)について、令和8年10月から控除水準を5割に引き下げず、現在の8割水準を継続すること。一定規模以下の事業者がインボイスの保存を不要とする特例について、令和11年9月30日が期限とされているが、その延長を検討すること、を挙げている。