会計検査院は、人材育成支援コース等がある人材開発支援助成金の支給決定に係る審査等が適切に行われているかに着目し、全国のうち10労働局が令和元〜5年度までに支給決定を行った同助成金について、支給申請書等の書類を検査したところ、東京・大阪・愛知など8労働局管内の32事業主に不適正支出が認められた。
 このうちの30事業主(支給額計約1億円)は、訓練実施機関等と役務契約の締結で、訓練受講者の感想文の提出など教育訓練に関連する役務提供を行い、訓練実施機関等から入金と助成金を受け取ることで訓練経費の全てを負担していなかったことが判明。残りの2事業主(同239万円)は、実際は役務提供をせず訓練実施機関から入金を受け、訓練経費の全てを負担していなかった。
 この事態を受け同院は、訓練実施機関等から事業主に対して入金があった際の取扱いを明確にすべく支給要領等の見直しと、入金の有無等を適切に確認できるような審査・調査方法をマニュアル等に新たに定めるよう要求している。