国税庁がこのほど公表した「令和5事務年度の相互協議の状況」によると、コロナが落ち着き多くの国の税務当局との対面協議を再開したことなどにより、相手国との合意や納税者による申立ての取下げ等により相互協議を終了した処理件数が前年に続いて過去最多となったことがわかった。
令和5事務年度(令和5年7月〜6年6月)において、納税者からの相互協議の申立て又は相手国税務当局からの相互協議の申入れがあった件数(発生件数)は、過去最多となった前事務年度の301件より89件減の212件。種別では、事前確認に係る事案が167件で全体の約8割を占め、移転価格課税や恒久的施設(PE)、源泉所得税に関するものは45件
相互協議事案の発生を受け、相手国税務当局の合意や納税者による相互協議の申立ての取下げ等により相互協議を終了した件数は過去最多の219件、このうち事前確認事案は過去最多の158件、移転価格課税その他は61件を処理した。
処理件数が発生件数を上回ったため、令和6事務年度以降への繰越件数は前年より7件減の735件。ただし、年々増加している事前確認事案は595件と過去最多となった。