昨年末に閣議決定した令和7年度税制改正大綱では、経営力向上を図る中小企業の設備投資を強く後押しする「中小企業経営強化税制」について、売上高100億円超を目指す中小企業に係る拡充措置を創設し令和8年度末まで適用期限が2年間延長されるが、関係法令の改正を前提に、適用対象となる設備類型のうちデジタル化設備(C類型)が今年度末で廃止されるとともに、生産性向上設備(A類型)と収益力強化設備(B類型)の各指標要件が改定される。
テレワークなど業務のデジタル化を促進するための遠隔操作・可視化・自動制御化に資するデジタル化設備(C類型)が令和2年5月から同税制に追加されたが、改正により今年3月31日の適用期限をもって対象外となる。
また、設備投資を行う前に、経営力向上計画を策定して経済産業局等の認定を受けなければならないが、指標要件について、生産性向上設備(A類型)は「生産性が旧モデル比平均1%以上向上する設備」、収益力強化設備(B類型)は「投資利益率が年平均7%以上の投資計画に係る設備」へと見直される。A類型における生産性とは、単位時間当たり生産量、歩留まり率、投入コスト削減率のいずれかをいい、B類型における投資利益率は現行の5%以上から7%以上へと引き上げられ、投資利益率の計算に使う期間は設備投資中の最長の減価償却期間に合わせることとする。
なお、100億企業を目指す中小企業に対しては、B類型拡充版の経営規模拡大設備の類型を新設し、売上高100億円超の達成に向けたロードマップ作成等を要件に建物及びその附属設備(1,000万円以上)を対象設備に追加する。