日本公認会計士協会(茂木哲也会長)が6月23日に公表した「令和8年度税制改正意見書」では、計98項目にわたる政策及び個別税制に関する意見を示している。
このうち、特に重要と位置付ける重点意見として、①自社制作ソフトウェアに係る損金算入範囲の適正化を図ること、②研究開発税制における、人件費に係る専ら要件を削除すること、③アーンアウト条項付きの株式譲渡について、税負担を一般の株式譲渡益と等しくすること、④取引相場のない株式等の評価について、⑤外国子会社合算税制における租税負担割合及びその算定方法を改定すること、の5項目を選定。
研究開発税制の対象となる試験研究費に含まれる人件費は、「専門的知識をもって当該試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限る」と措置法で規定されているが、中小企業では、試験研究以外の業務を兼任していたり、経営者や経営陣が自ら技術者として試験研究を行うことが多い状況にあることから、この「専ら」要件を満たさなくても専門的知識をもって試験研究の業務に従事していることを客観的に示すことができる限りにおいては試験研究費の税額控除の対象とできるよう、人件費に係る「専ら」要件の削除を求めた。