国税庁がまとめた「令和5年度 租税滞納状況」によると、申告等により課税されたものの額である徴収決定済額が過去最高となったことに伴い、同年度に新たに発生した滞納額は前年度より802億円の増加となった。
 令和5年度において新たに発生した滞納額は7,997億円で前年度より802億円増加。前年度は減少したものの再び増加に転じた。
 新規発生滞納額が増加したのは、同年度の徴収決定済額が79兆6,531億円で過去最高額となったことが要因。そのため、新規発生滞納額を徴収決定済額で除した滞納発生割合は1.0%と前年と同じ数値で低水準となっているが、新規発生滞納額は徴収決定済額に比例して増加する形となった。
 令和5年度における滞納整理済額は7,670億円で前年度より566億円増加。この滞納整理済額よりも新規発生滞納額が上回っていることから、滞納残高(滞納整理中のものの額)は9,276億円となったが、ピーク時(平成10年度、2兆8,149億円)の約3割に抑えている。
 また、新規発生滞納事案に対し電話催告で滞納整理を行う「集中電話催告センター(納税コールセンター)」では、令和5事務年度(令5.7〜令6.6)において、催告対象となった96万7千者のうち、69万2千者を完納させ、10万者を納付誓約に結び付けている。