去る3月28日、参議院本会議で令和5年度税制改正の「所得税法等の一部を改正する法律」及び「地方税法等の一部を改正する法律」が、賛成多数で可決成立した。
国税関係の改正である「所得税法等の一部を改正する法律」では、家計の資産を貯蓄から投資へと積極的に振り向け、資産所得倍増につなげるためのNISA制度の抜本的拡充及び恒久化、極めて高い水準の所得について最低限の負担を求める措置の導入、電子帳簿等保存制度について電子取引データの保存に関する新たな猶予措置が講じられる。
消費税のインボイス制度の円滑な実施に向けた所要の措置として、免税事業者がインボイス発行事業者を選択した場合に納税額を売上税額の2割に軽減する激変緩和措置や、一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置、少額な返還インボイスの交付義務の見直し、資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築に向け相続時精算課税制度について暦年課税の基礎控除とは別途、110万円の基礎控除の創設、暦年課税において贈与を受けた財産を相続財産に加算する期間を相続開始前3年間から7年間に延長することなども盛り込まれている。
地方税関係の改正では、自動車税・軽自動車税の環境性能割における税率区分の見直し、中小事業者等の生産性向上や賃上げの促進に資する機械・装置等の償却資産の導入に係る固定資産税の特例措置及び長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに係る税額の減額措置の創設などが手当てされる。