国税庁がまとめた「令和4年分の国外財産調書の提出状況」によると、同年分にかかる国外財産調書の総提出件数は1万2,494件、総財産額は5兆7,222億円でいずれも制度開始以降9年連続で増加し過去最高となった。
 国外財産調書制度は、その年の12月31日において保有する国外財産の合計額が5千万円を超える居住者は、その財産の種類・数量・価額など必要事項を記載した国外財産調書を翌年の3月15日までに税務署長に提出しなければならない(令和4年度税制改正により令和5年分以降の提出期限は6月30日。)。
 ただし、国外財産調書の提出義務者は所得税の申告義務者とは限らず、納税者が自主的に提出するという点で他の法定調書と異なることから、加算税の軽減措置など適正提出を確保するためのインセンティブ措置が設けられているが、同年分では146件が適用され、増差所得等金額は40億6,433万円。
 一方、調書の提出がない又は提出調書に記載のない国外財産にかかる申告漏れが生じた場合には加算税の加重措置(+5%)があり、同年分は329件に適用され、その増差所得等金額は119億1,183万円と多額にのぼった。