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経営者保証不要の新信用保証制度を創設

 昨年11月、政府が閣議決定した「デフレ完全脱却のための総合経済対策」では、経営者保証不要の新たな資金繰り支援が盛り込まれていたが、いよいよ今月から新信用保証制度の事前審査がスタートする。中小・小規模経営者も関心のある内容を改めて見ていく。

 中小企業の4割が利用している「信用保証制度」。新たにスタートする信用保証制度は、保証料上乗せにより経営者保証の提供を不要とすることをメインに、3年間の時限的な保証料負担軽減策を講じることで、制度の活用を促す。
 経営者保証(経営者に対する個人連帯保証)は、経営の規律付けや信用補完として資金調達の円滑化などにメリットがある反面、経営者負担を重く考えてしまい思い切った事業展開を躊躇させる要因となっていると言われてきた。このような背景を受けて、政府は行政等が経営者保証を提供することなく資金調達を受ける場合の要件等を定めた「経営者保証に関するガイドライン」の運用を平成26年2月に開始したが、経営者保証に依存しない融資が浸透しているとは言い難い状況が続いていた。
 新制度は、保証料の上乗せという経営者保証の機能を代替する手法を活用することから、経営者保証ガイドラインの要件(法人・個人の資産分離、財務基盤の強化、経営の透明性確保)よりも緩和した要件設定となっている。対象要件は、①過去2年間(法人の設立日から2年経過していない場合は、その期間)において貸借対照表、損益計算書等の書類を金融機関の求めに応じて提出している、②直近の決算書で代表者貸付がなく、かつ、代表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められる額を超えていない、③直近の決算において純資産の額がゼロ以上又は直近2期の決算において減価償却前経常利益が連続赤字でない、④前記①、②について継続的に充足することの誓約書面を提出している、⑤中小企業者が保証人の保証を提供しないことを希望していることなどが求められる。
 気になる保証料の上乗せ率は、通常の保証料率に前記③の要件を両方とも満たしている場合は0.25%(いずれかの場合や、2期分の決算書がない場合は0.45%の上乗せ)とされている。
 ただし、制度の活用を促すため、「上乗せ保証料」について、3年間の時限措置として軽減(令和7年3月末までの保証申込分は0.15%、令和7年4月から令和8年3月までの保証申込分は0.10%、令和8年4月から令和9年3月までの保証申込分は0.05%に相当する保証料を国が補助する事業者負担軽減措置)が行われる。
 同制度は3月15日より申込受付を開始し、それに先立ち2月16日より要件確認などの事前審査がスタートする。
 コロナも落ち着きインバウンド消費も拡大傾向の中、信用保証制度を利用する際に経営者保証の提供が必須でなくなるという環境が、企業・事業主の意識に大きな変化となることを期待したい。